Other Voices 5. 吉田 勝己

Other Voices 5.

吉田 勝己

わたしのTurning Points 1.

 「You raise me up 」(作詞:Brendan Graham)という歌の歌詞に <you raise me up to more than I can be.>という部分があります。いま言えるのは、<I have achieved more than I could have.>。つまり、自分以上の自分になれたということです。それぞれが思う「成功」は、それぞれの目標によって異なりますが、私の場合、想定以上にやり遂げたという達成感があります。

 小学校低学年の時は、背が高い以外、特別目立つ子どもではありませんでした。走るのも遅く、勉強も特段他の人よりできたという記憶はありません。宿題を怠ったことは一度もありませんでしたが、予習復習を自宅でしたことはありません。本もほとんど読んだ記憶がありません。夏休み中は、外出もせず、ひたすら天井の節穴を眺めていました。
 小学校3年の時、先生から学級委員長に指名されました。それを母親に伝えたところ 、母親はすぐに学校に出向き、先生に「この子にはそんな大役は務まりません」と申し入れたことを鮮明に覚えています。正義感が強く、まじめだったので指名されたのだろうと思います。母親は先生に説得され、学級委員をすることになりました。これが、最初のTurning Point(転機)です。
小学校卒業まで委員を続け、小6の時は、児童会(中学、高校の生徒会)の副会長を務めました。この経験は、中学、高校生活にかなり影響したと思います。

 中学1年になり、初めての中間テストの結果が廊下に張り出されました。私は300人中45番でした。「成績はトップクラスのはず」と自分を誤評価していたのか、大変ショックでした。それから初めてテスト勉強というものをするようになり、期末テストでは22番になりました。テスト結果は、18、8、4と少しずつ順位が上がり、中学3年でようやく2番になりました。私の2度目のTurning Pointは、幸か不幸か自分を誤評価していた中1の1学期の中間テスト結果だったと思います。努力(行動)すれば結果は出るということです。
 大学進学の意思は全くなかったので工業高校に進学し、在学中は重度心身障害児のためのボランティア活動(放課後の駅前募金活動、週末の施設でのお手伝い)に没頭。他にも部員が足りない部活動二つ(文化祭時の演劇部、書道部)に参加し、2回の弁論大会で熱弁をふるいました。2回とも残念ながら準優勝でした。

 振り返ると、ここまでの私の人生は、No.2までは行きますが、No.1にはなっていませんね。
 楽しい思い出はありませんが、週末も休むことがなかった高校生活が、私の青春時代と言ってよいと思います。
 小3からやらされた学級委員の経験は、中学時代一番下手なのにバレーボール部の主将、生徒会副会長、高校時代のボランティア活動などにつながったと思います。

 少し話は逸れますが、中学3年生の時、年1回の中学バレーボール大会に出場しました。市の大会で、優勝候補だったわがチームは初戦で負けましたが、敗者復活戦で復活し優勝。群大会に出場して3位になり、その上の県大会に進みましたが、2回戦で敗れました。県大会には敗者復活戦がありませんでした。「敗者復活」は後に私の人生のキーワードになります。